« 消費者金融は、キャッシング申込者の職業・年収から何を判断するのか? | メイン | 経済ニュース »

税金の回収を消費者金融の過払い金から

キャッシングを計画的に使用している方が多い中、一部の多重債務者の方の報道で、消費者金融は、グレーゾーン金利の撤廃により、現在、業績が赤字に転落しています。

しかし、このような状況の中、市町村行政部局は、思わぬ形で、市税回収の目処が立ったようです。


=====================================

多重債務者の税滞納  『過払い金』で解消
2007年4月12日 中日新聞

 地方税や国民健康保険料などを滞納している住民からどう回収するか、全国の自治体が頭を悩ませている。そんな中、多重債務が原因で税などを滞納している人に対して自治体が「貸金業者から『過払い金』を取り戻せる」と勧め、それで滞納を解消してもらう動きが目立ってきた。何だか不思議に思える手段だ。なぜこれが可能なのか、追った。 (白井康彦)

 この手段の仕掛け人は、愛知県内に事務所を構える滝康暢弁護士。二〇〇三年十月からの約三年間で、滝弁護士が多重債務者の代理人となって貸金業者から過払い金を取り戻し、地方税などの滞納分が完納されたケースが十六例あったという。完納した総額は約一千百万円に上る。

 「過払い金で税などの滞納がこんなにうまく解消できます」。滝弁護士は、所属している日本弁護士連合会消費者問題対策委員会などで説いて回り、その結果、日弁連が昨年七月、国税庁や総務省、厚生労働省などに要望を行った。

 滞納分の徴収担当者らの業務に関するもので「滞納者が多重債務者と分かった場合は弁護士会など専門機関を紹介する」「過払い金が取り戻せる滞納者に対して過払い金回収の援助をする」などが内容だった。

   × ×

 多重債務者の支援団体では「過払い金ブーム」が起きている。「借金地獄で自殺寸前だった人が過払い金を二百万円取り戻した」といった話が連日のように飛び交う。

 過払い金は、消費者金融や信販などの貸金業者が利息制限法の上限金利(年15-20%)と出資法の上限金利(年29・2%)の挟間の「グレーゾーン金利」で貸してきたために発生する。

 貸金業規制法には、貸し付け方法などが一定の条件を満たせばグレーゾーン金利が有効になるとの規定があった。しかし、裁判所がこの条件を厳格に解釈するようになり、今では多重債務者が弁護士や司法書士などに相談すれば、グレーゾーン金利で計算されていた借金残高が利息制限法上限金利で計算し直されることが普通になった。

 この再計算で借金残高がマイナスになるときは、そのマイナス分は返し過ぎた「過払い金」で、返還請求訴訟を起こせば取り戻せる。貸金業者と七年以上の取引期間があれば、過払いになっていることが多い。

   × ×

 厚生労働省は、都道府県ごとにある国民健康保険団体連合会や弁護士会の協力を得て本年度に「多重債務者相談モデル事業」を実施する。

 自治体の徴収担当者が国民健康保険料の滞納者から聞き取りをするなどして滞納者が多重債務者であることを把握する。その連絡が連合会や弁護士会に届き、滞納者は紹介された弁護士に相談して過払い金を回収。その中から滞納分を自治体に納める。国が相談経費の四分の一を補助する。

 厚労省が事業に参加する弁護士会や国保連を選考。夏ごろから相談がスタートする。「二十ぐらいの都道府県で実施できそう」(厚労省国民健康保険課)という。

 一方、滞納分を回収する強力な手段が滞納者の資産の差し押さえ。兵庫県芦屋市の収税課は、地方税滞納者の同意を得て三月中旬から「滞納者が貸金業者に対して持つ過払い金債権の差し押さえ」を進めている。

 滞納者の取引先の消費者金融会社に取引経過資料の提出を求め、収税課職員が債務残高の再計算をして過払い金返還額をはじき、その金額を「差し押さえ通知書」に記載して消費者金融会社に支払いを求める。最初の対象は地方税などを約百五十万円滞納していた夫婦。夫婦の取引先の各社に対して次々と通知書を送っている。

 厚労省国民健康保険課や芦屋市収税課には各地の自治体などから問い合わせが多い。過払い金を使った滞納分の回収は急速に広まりそうだ。

About

2007年04月18日 16:24に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「消費者金融は、キャッシング申込者の職業・年収から何を判断するのか?」です。

次の投稿は「経済ニュース」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34